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スロウハイツの神様 上/下 【8.5/10】

自分に厳しく他人にも厳しい売れっ子脚本家赤羽環は、スロウハイツのオーナー。そこには、優しい世界を描くことにこだわり続ける漫画家の卵狩野、自分の感情、魂を作品に籠められない映画監督志望の正義、正義の彼女で画家志望のすみれ、敏腕編集者ハイパークールの黒木さん、高校時代からの環の親友で漫画家志望の円屋、そしてかつて自身の作品の読者が集団自殺を起こした経緯のある超人気作家チヨダ・コーキが住んでいる。そんな、クリエイター揃いの各々がそれぞれの主義主張をぶつけながらも絆を深めていくいい年こいた、デラ羨ましい青春物語。

我が強く、プライドも高い、仕事はできるが男の趣味は悪い、そんな赤羽環さんの第一印象が最後まで読んでみるとなんと可愛らしく一途で不器用な娘であったことか!本というものに人生を救われた彼女の、作品と作家に対する真摯な想いには、同じ本好きとして共感とどこか救われる気持がありますな。

そして、被害妄想な上に、対人コミュニケーション能力が低そうで、生活力皆無のチヨダ・コーキもといコウちゃんがいかす!最年長だけど良い意味で子供という彼の性質をスロウハイツの住人はある程度は的を射てはいるのだけど、実際のコウちゃんは人の感情に非常に聡く、またその言葉も真実を突いていたっていう点に関しては、みんな若干ずれた評価になってるんだよなぁーその一番の被害者は黒木さんなのが非常に笑える事実です。

既に成功している環という存在といまだ芽が出ない住人達の間で軋轢が生じるのも当然といえば当然なんだけど、本音でぶつかり合うその姿はいいもんですなぁ。環の厳しさはやりすぎにも思えるけど、ある意味本当の意味では優しさと信頼があるのがいい感じ。

最終章で、上巻の最初から細やかに積み重ねられた伏線が一気に明かされる描写にはニヤニヤ転がり読んでしまいました。因みに、住人で一番の腹黒はある意味狩野くんですよね。そして一癖ありそうなのに実際には裏表が一番ない見た目も中身もイケメンな正義には心からの拍手喝采を。

というわけで、非常に楽しめ、読後感がとても晴れやかな気持になれました。登場人物の感情はリアルなのに展開事態はご都合主義的なところも良い感じ。ちょいミステリ仕立てなストーリー展開も飽きさせませんでした。オススメ!

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