インシテミル 【7.5/10】
時給112,000円という法外なアルバイトに呼び寄せられたのは12人。ある者は求人内容を馬鹿にして、ある者はどうしてもお金が欲しくて、それぞれ動機は異なる12人が押し込められた地下施設にて始まる7日間の殺し合い。生き残るのは・・・
という「主催者」により作られたクローズドサークルによるミステリ殺人事件。12人に割り振られた凶器に、細かなルール、殺人によるボーナスポイントに犯人を推理することで得られるボーナスポイント。誰も何もしなければ1週間後には2千万近くを得られるはずなのに、やっぱり起きてしまう人死にに、疑心暗鬼に陥るメンバー、とこういう設定と展開だけどもう物語の牽引力はなかなかのものでしたが、やや登場人物の行動やら主催者の設定に駄目ダシを覚えてしまったのがやや残念。でも、後半を読むとこういう感想自体を抱くことも作者の手のひらの上という感じがしないでもない。
後半、名推理を披露した主人公がアレなことになった後のあの人との会話は、なんだか物語からドロップアウトした視点で物語を眺められるというなかなかの新鮮さ。
登場人物に感情移入できなり作りではあったけれども、それでも最後の後味の悪さは流石ですね。
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